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月のえくぼ(クレーター)を見た男

月面に数あるクレーターの中に「クレーター・アサダ」と日本人名が付されたクレーターがあります。クレーターには、過去の偉大な天文学者や科学者の名前がつけられているのですが、この麻田剛立とは、いったいどんな人物なのでしょうか?

 麻田剛立(あさだごうりゅう)今から二百年以上前の江戸時代に生きた天文学者ですが、あまり一般には知られていませんが、それは次の五つの点で特筆されます。

1. 日本の近代天文学の礎を築いた人物:豊後国(大分県杵築市)杵築藩主の侍医でしたが、脱藩し大坂(大阪)で西洋天文学をベースとした天文暦学の研究を続け、日本初の専門天文塾「先事館」を開きました。

2. 近世日本の天文学を支える優秀な人材を育成:後に、江戸幕府の改暦(寛政の改暦)で功績をあげることになる高橋至時や間重富らの優秀な人材を多く育成。その高橋至時に弟子入りし、実測測量による日本地図を作成した伊能忠敬の偉業も基は、実は麻田剛立に発しているのでした。

3. 日本最古の月面観測図を描いた人物:1778(安永7)年、オランダ人から購入した反射式望遠鏡を使って月面を観測し、日本人として初めてクレーターを含む月面観測図を描きました。

4. ケプラーの第3法則を日本人として独学で発見!「惑星の公転周期の二乗は、太陽からの平均距離の三乗に比例する」といういわゆるケプラーの第3法則を、ケプラーより後の発見ではありますが、麻田剛立は独自の天体観測からこの法則を見つけ、著書『五星距地之奇法』に発表しています。

5. 解剖学者麻田剛立:大坂で本格的に天文学を研究する前に、人体の解剖学を究めようと志し、日本では三番目に古い人体解剖書『越俎弄筆』を儒学者の中井履軒とともに著しました。

国語の教科書に出てくる本/光村図書 5年 P72/三省堂 6年 P191
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