小学校初級から
――いちかちゃんは、ぼーっとしているけど、おかしい子じゃないし、だからかわいそうでもありません。ちょっと、みんなとちがうだけです。
いちかちゃんは、ぼくと同い年のいとこです。ぼくのほうが、2か月おそく生まれたけれど、おかあさんも、いちかちゃんのおばさんも、ぼくをとってもたよりにしています。なぜならいちかちゃんは、いつもぼーっとしているからです。ぼーっとしているから、いちかちゃんはしょっちゅうわすれものをするし、あんまりお友だちとも遊びません。学校の先生は、毎日なんどもいちかちゃんの名前を呼びます。でも、いちかちゃんは、ちっとも気にしていません。ぼくは、そんないちかちゃんを、ひそかにさいきょうだと思っています。秋のある日曜日。お母さんにおつかいをたのまれたぼくが歩いていると……。
読者に「だれかの気もちになって考えることの大切さ」を伝える児童文学です。
■作:いとうみく/絵:中田いくみ
■A5型・80ページ
■サイズ:縦210×横148×厚さ11mm
■ISBN:9784774335537
■会員価格(税込み):1430円